10年ペーパードライバーだった私がカナダで運転できるようになった話(免許の切り替え|ドライビングスクール|Evo)

こんにちは。今日はバンクーバーでの生活に関する内容の記事です!

さて、みなさんはバンクーバーで運転したことはありますか?2年バンクーバー住んで見て、公共交通機関はあるものの、なかなかの車社会だなと感じています。

特に私の会社は郊外にあるので、同僚の95%は車通勤していますし、この記事の後でも登場しますが、シェアカーの”Evo”もかなり街に根付いていますよね。

重い食料品の買い物や引っ越しをしたりするときにも、車が運転できればかなりフレキシブルに動くことができます。

私の会社は自宅から公共交通機関で1時間以上かかる場所にあり、バスの時間もまちまち。炎天下の中、合計1時間ほどバスを待っていたことも、大雪の中バスをひたすら待ち続けた経験もあります。車があれば通勤時間は半分以下。そんな私が、なぜ車通勤をしないのか。お金がない?保険が高い?そんな次元の話ではなく、単純に”生粋のペーパードライバーで、車の運転ができない”という理由で、この2年間はひたすら公共交通機関を使っています。引っ越しをしようにも、車が運転できないので重い腰が上がらず、信じられない時間数、通勤に時間をかけてきました(仕事があるだけマシ、というマインド)。

 

もくじ

私の運転遍歴

大学2年のときに、合宿免許で2〜3週間で取得。

卒業試験のときに、歩道を車で横切って公道に出る際、歩道を歩く歩行者に気がつかず、車を発進させようとしてしまい、補助ブレーキを踏まれ一発退場しました。

その後もう一回試験を受けて卒業、免許取得。

その一発退場のトラウマ兼、家族からお前は人を轢くから車に乗るなと言われ、晴れてペーパードライバーに。この理由で免許を取ったら助手席に親を乗せて親の車で練習、というイベントは発生しませんでした。自分はもう車を運転したらだめなんだと思って何もできなくなり、そのまま引きずって大人になっていきます。

その後、私は自動車メーカーで働くことになるのですが、その会社の目玉になっている新型車の社内試乗会に招待してもらうことがあっても、車が運転できないという理由で行くことができなかったりもしました。出張したかった。

このような経緯で、自分のバイト代で取得した運転免許証は30万円の身分証明書になりました。

 

加えて、バンクーバーで運転しようと思わなかった理由

私は、バンクーバーに住んで2年ほどですが、運転ができないという理由に加えてカナダに来た当初は運転しようとも思っていなかった理由が他にもあります。

  • カナダである程度職歴を積むことができたら、日本に帰国しようと思っていたから。日本の免許証をBC州の免許証に切り替える場合、日本の免許証はICBCに提出(没収?)しなくてはいけないので、数年の滞在のために免許を切り替えるということは頭になかった(運転しないのに、日本で日本の免許証の再発行の手続きをするのはだるい)。
  • そもそも左ハンドルの車を運転できる訳がないと思っていた。
  • 何か赤信号なのに右折する車がいたりして、交通ルールが複雑そうだなと思った。
  • 日本でも公共交通機関を使って生活できていたので、バスや電車を使っての長時間の移動にあまり抵抗がなかった。

などなど、運転しない理由を付けようと思えばいくらでもでてくるタイプだったというのも大きな要素の一つです。

 

なぜこんなに抵抗のある運転をカナダでできるようになりたいと思ったか

きっかけとなる理由がいくつかあるので、ここではカナダで運転したいと思った主な理由をピックアップしてみます。

  • 会社が在宅勤務を一切認めなくなったため、通勤するのが大変だから車通勤できたらいいなと思った。
  • ニュースで駅や電車内での事件をよく目にするようになった。実際に公共交通機関を毎日使っていて、居心地が悪くなるような場面に遭遇することが増えてきた気がして車で通勤することは身を守るために必要かもしれないと考えるようになった。
  • 引っ越しをすることになり、荷物を運ぶため人に運転を頼むか、自分で車の運転をする必要がでてきた。
  • 引っ越し先のコンドに駐車場がついている(部屋ごとに1台分の駐車場が付随している)ので、車を購入してみても良いかもしれないと思うようになった
  • 就職して1年経ち、バンクーバーでの生活が停滞しているように感じ始め、生活面で新しいステップを踏み出したいと思った
  • カナダには3年ほど住んでから日本へ帰国する予定だったが、多分帰国しないっぽい

上記のうち、引っ越しのための荷物運搬が一大イベントで、そのために運転を練習してシェアカーで新居へ荷物を運搬しようという計画を立てました。目標がないといつまでもダラダラ「いつか運転できるようになれたらいいな」と思うだけで何も行動しないことはこの10年で痛いほど分かっているので、引っ越しという日付が決まっているものを目標に練習をすることにしました。

 

運転するための第1ステップ:免許証をBC州のものに切り替える

まず初めに、日本の免許証をBC州の免許証に切り替えました。

幸い、切り替えの方法は日本語での情報がたくさんあったので特に難しいこともなく切り替えることができました。切り替え関連のブログ記事などはたくさんあるので、ここでの詳細は省きます。

 

ドライビングスクールを探す

私のようなペーパードライバーのみなさんに声を大にして言いたい、絶対にお金はケチっちゃだめです。まずはドライビングスクールに課金しましょう。

私はまず、日本人のインストラクターの方をネットで見つけ連絡をしてみました。

私は平日は仕事があるため土日のレッスンを希望していたのですが、土日のレッスンは最短で1ヶ月後と言われ…、それでも良いととりあえず予約をお願いしました。

しかし、その1ヶ月後のレッスンがある月の終わりには引っ越しが待っています。

大変不安になった私は他のドライビングスクールを検索して空きがあるか、連絡をしてみました。

 

インド人インストラクター、Amberとの出会い

私が見つけたドライビングスクールはこちら。

Pakcan Driving School

Richmondのドライビングスクールです。他のドライビングスクールと金額や口コミを比較して良さそうだったので連絡をしました。

連絡したその週の週末からレッスンを開始できるということだったので、時間のない私にはもってこいでした。スケジュールはかなりフレキシブルで、土日だけではなく、夜7時からレッスンをしてもらったこともあります。

私は運転の経験が10年以上ないことなども踏まえて、1時間のレッスンを5回受けるコース($365)を受講することに。支払いは現金かe-transferのみです。初回に全額支払います。

このあたりのドライビングスクールはすべてそうなのかもしれませんが、日本のような教習所スタイルではなく、最初から公道で運転をして慣れていくスタイルでした。

レッスン初日、免許証を持ってこちらで指定した場所に向かうとインストラクターのAmberが待っていてくれました。


 

まずは、アンバーからテキストメッセージが来て、日程を調整します。5回レッスンのうち、私の場合は初めの2回の日程を決め、残りの3回の日程は2回目のレッスンが終わった後に、またテキストで調整して決めました。

アンバーに住所を伝え(自分がピックアップしてもらいたい住所を指定)、教習の時間になったらその場所で待っていると青いカローラ(教習車)に乗ったアンバーが迎えに来てくれます。

日本のペーパードライバー講習がどのように進むのかはわかりませんが、アンバーとの教習では挨拶を外でちょっとしたら、そのまま教習車の運転席に座らされます。

運転席はもちろん左側、車道に出て乗り込みます。

ここで驚いたのが、日本の一般的な教習車にはインストラクターが乗る助手席側には補助ブレーキのみがついていますが、彼女の車には補助ブレーキだけではなく補助ハンドルと補助アクセルもついていました。 ブレーキもアクセルもハンドルも、すべて運転席側についているものと連動しているので、助手席側のハンドルを回したら、運転席のハンドルも同じように回ります。また、車のボディに”〇〇ドライビングスクール”のようなデザインはないので、バックドアに”STUDENT DRIVER”という紙を掲示して回りの車にこの車は”ヤバい”ということをお知らせしながら走行します。このサインを車に出していても、クラクションを容赦なく鳴らしてくる車も多いので、マナーが悪いドライバーが多いことも頭のすみに置いておくと良いです。

車に乗り込んだら、まず初めに免許証を確認されます。もちろん、BC州の運転免許証が必要です。ICBCの規定により、インストラクターは免許証の情報を控える必要があり(ICBC側からチェックが入るそう)、ICBCのテストにパスできるカリキュラム(実際にテストを受ける必要はない)で進めていくという説明がありました。そこから、車の基本的な操作について説明され、教本を使って道路標識やルールを教えてもらいました。

その後、二人で運転開始。ハンドル操作もすべてしてくれるので、自分がどれだけテンパっていても、ウインカーとワイパーを間違えても、左折なのに右折のウインカーを出していても、車は自動運転のごとく勝手に(インストラクターの運転で)進んでいきます。

はじめの1時間の教習では、右折左折、車線変更、をひたすらやっていき、運転の操作に慣れていきました。近所のショッピングモールの駐車場を利用してパーキングの練習も2回ほどして1回目の教習は終了。

自分で全く運転できなくて”このままではマズい”と思いつつ、教習自体はかなり楽しかったので次回(次の日)の教習が楽しみという気持ちでした。

2回目の1時間教習、私は1回目の次の日に受けました。結局継続して乗らないとまた振り出しに戻ることが分かっていたためです。

2回目の教習でも公道を走ることを中心に、右折、左折、車線変更などを指示に従いながらやっていきます。

3回目から5回目(最後)のレッスンは翌週の金曜日から日曜日にかけて行い、5回の教習を2週間で終えました。ペーパードライバーとしては、とにかく回数を間を開けないで乗ることが大切だと思っていたためです。

そして、回数を重ねるごとにパニックになる瞬間は減っていきました。3回目、4回目のレッスンではスクールゾーンや住宅街などのスピード制限が特殊な区域の走行、縦列駐車の練習、リッチモンドにあるバイパス的な道の走行(BCITのリッチモンドキャンパスがあるあたり)を行いました。ちなみに、4回目くらいになると先生はハンドルを握らなくなり、となりでコーヒーを飲み始めます。5回目はリッチモンドの有名所を回るツアーをしてくれたので、IKEA、COSTCOあたりから、図書館、スティーブストンまでぐるっと巡り、ちょっとの自信をつけることができました。

教習中によく見る標識の意味や、特殊な道の構造になっているルートなども紹介してもらえたので、ただの運転だけではなく、カナダの道路にも少しなれる事ができたのでとても良かったです。

この教習を終えて私が思ったことは、運転することは特殊能力でもなんでもないのでとにかく運転しないことには車を運転できるようにはならないということです。もうこの年齢まで避けてきてしまった以上、覚悟を決めるしかない…。正直、10年級のペーパードライバーは何回レッスンを受けても不安で、完全な自信を持つことはなく満足しないと思うので、回数が決まっているコースを受講したことも結果として良かったなと思っています。

 

最後のレッスンのあとすぐ、Evoを一人で運転してみることに

さて、私は次運転するまでに時間を開けてしまうとまた一人では乗れなくなると考え、事前に登録を済ませていたEVO(バンクーバーエリアで提供されているシェアカー)を一人で運転してみることにしました。

家族がいて、車があるならその車を使って練習すれば良いと思いますが私の場合はまだ車がなかったのでシェアカーを使うことに。ここで重要なのは1人で乗るということです。これがめちゃくちゃ重要だったと思っています。ここで家族なりパートナーなり、車に乗り慣れている人を隣に座らせると、「危ない!」とか「なんでこんな運転するの」とか文句を言われることでしょう。そうすると、一転、車を運転できるようになってきたぞという自信が地に落ち振り出しに戻ります。もうこの現象は確実に起こると言えます。まずは一人で走行することになれるまで、できるだけ何でも言ってくる関係性の人を同乗させるのはやめましょう。私は気の知れた女友達とドライブがてら出かけたりして、どうやったら駐車できるかなどをアドバイスしてもらったりしています笑

Evoを使って5−6回かけて練習がてら元の家から荷物を運び、最近完全に引っ越しが完了しました!このきっかけがなければ車を運転しようとは思わなかったと思うので、少し出費はしましたがこのプロセスを踏んで良かったと思います。

まとめ

そんなこんなで少し車を運転できるようになっていたところです。車も今年中に無事に購入できたらいいな…。

少しでも海外で生活するペーパードライバーの方の参考になれば幸いです!

ではまた!